29er 大好評です!!  今回は語りますよ。。。

全国のクルーザーファンの皆様、いかがお過ごしでしょうか。
先日デビューした29erをお取扱店さまに発送したところ、「コイツはGoodだね」の声を多数頂いており、うれしい限りであります。
折からの29erブームでもあります。マウンテンの29erも売れ売れの様子。自転車業界は29erでちょっと盛り上がっております。

今回はそんな大好評のRainbow PCH101 29erの魅力をもう少し深く掘ってみたいと思います

そもそも弊社が29erの開発に手がけたのはInterbike Expo2010で29erが増えてきたところによります。MTB各社からさまざまなモデルが出てきたのが2010年インターバイクあたりです。で、昨年の3月に「今度は29erやろうぜ」と開発に着手しました。その時点ではアメリカでもクルーザーで29erを作っているのはPhat Cycleくらいでした。Rumble 29erと言うモデルでかっこよいです。
その後、弊社がもたもたしているあいだに昨年のインターバイクではSE BikesのBig StyleとサンフランシスコのTorkerと言うブランドからT29と言うモデルがリリースされました。

しかし、いずれもアメリカ人らしくでかい自転車に仕上がっていますね。29インチの輪径を容赦なく目いっぱい使っています。しかも、なぜかフェンダーがありません。私共の29erでは、この昨年の9月時点ですでに図面は完成しており、サンプル生産のリクエストを出してあったのです。



私共が29erに用意したコンセプトは
・29インチの大径ホイールを生かしてスムースな乗り味。
・29erだからと言って、いたずらにハイトのある自転車にしない。
・ライディング・フィールは26インチになるべく近いものにする。
・価格的に控えめなモデルにする。

と言うものでした。もちろん、その他のPCH101シリーズと同様、毎日使う日常の足としての利便性も併せ持たなくてはなりません。このようなコンセプトのもと、クルーザーとして最高にかっこいい29erを作ろうと開発されました。

ポイントとして、まず、29erの最大のポイントであるタイヤ、これが重要です。2年前は本当にゴツゴツの山走り用タイヤしかありませんでしたが、最近は少し選べるようになって来ました。自分も開発を通じて知ったのですが、いわゆる29インチと28インチさらに700cは共通のビードを使っています。つまり、みんな同じ径だと言うのです。でも29erの名前で買ったのに28インチのタイヤが付いていたら、自分だったらがっかりです。と言うわけで候補から28インチは落ちました。前述の29erクルーザーの中には28インチタイヤを使っているものもあります。



29erでは、今回はChaoyanと言う新進のタイヤブランドを採用しました。まだまだ名前は売れていませんが、自動車のタイヤなども作っており、しっかりしたタイヤメーカーです。ここ数年、自転車用タイヤにも力を入れ始め、なかなか面白いタイヤをリリースしています。このChaoyanを選んだのは、しっかりとしたボリューム感があると言うことと、街走り中心のため転がり抵抗が少なそうなものと言うことで選択しました。品質的にも大変安定しており、なかなか良いです。

タイヤが決まったらブレーキが決まるのですが、今回はTektroにしました。あまり知られていないことですが、大径車はブレーキの負担が大きいのです。特にハブ周りは注意が必要です。と言うわけで、前ブレーキはTektroに決まりです。このTektroブレーキはダブルピボット構造になっています。ダブルピボット構造は一般的なシングルピボットと姿こそ似ていますが、かなり違った作りになっています。特徴としては軽い力でカツーンと効く点にあります。



フレームデザインでは、Rainbowの26インチ車の特徴を生かしつつ、29インチの美点であるスムーズさを引き出せるよう考えました。全長をあまり大きくしたくないので、ホイールベースを同じ長さにセット。こうするとタイヤの接地点距離も同じになります。次に、いわゆる「BB下がり」、つまりBBの下方向へのオフセット値とCT値(BBからシートチューブのてっぺんまでの距離)を決定します。ここは乗る人の体系や乗車姿勢などを大きく左右するので非常に重要です。また、クルーザーにあってはここがデザインの要でもあるので、何度も何度も書き直しを繰り返してベストなセッティングを煮詰めて行きます。29erは大きな輪径で、大柄になってしまいがちですので、デザインを壊さないレベルでできるだけ低く設定しました。26インチ車と比較するとチェーンケースのアングルが微妙に違う点にお気付きいただけると思います。




最後にカラーです。サンプル車をグロスブラックとマットブラックのツートーンで作ったところ、これがなかなかいい感じです。ゴールドのデカールを入れると、実にワルそうな感じに上がりました。「29erは、ゴツい男の乗り物」と勝手にイメージしていたので硬派な感じにしたかったので、これはこれで決定。「あと一色何にしようか?」を社内で散々話し合いましたが結論が出ませんでした。




でも何かチャレンジングなことをしたかったんですね。29erと言う大きな挑戦をしていて、ブラックは、まぁアンパイなわけです。ならばもう一色は誰も見たことがないようなとんでもないものを作ってやろう、とクロームに挑戦することが決まりました。
「クロームとブラックのツートーンをブラックのコンポーネントで」と言うのは、世界的に見ても類を見ない組み合わせです。今シーズン、クロームがリバイバルでBMXブランドなどが出してきていますが、コンポーネントはシルバー系で組んでいます。そこを敢えてブラック系で組み上げることで、クロームの持つ冷たい輝きが一層引き立つのではないかと挑戦してみました。

結果は皆さんがご自身の目で確かめていただきたいと思います。クールで美しいです。



あまり知られていないことですが、クロームメッキは生産に非常に手間がかかるのです。普通の塗装であれば、下地処理の後、ベースコートをして塗装に入れますが、メッキの場合、まず完成したフレームをバフ掛けします。このバフ掛け次第でメッキのクオリティの90%が決まります。今回の29erでは、フレームの生産ラインから出て2回、さらにメッキの工場で2回と計4回のバフ掛けをバフの目を変えながら行っています。ここを怠ると、顔が映りこむような美しいメッキはできません。



さらに、塗装のラインでブラックのティッピングを塗装し、仕上げにクリアーラッカーで全体をコーティングします。クロームメッキは、そのままだとあっという間に錆びてしまいます。手間隙かけて美しいクロームメッキを施したあと、これが美しいんですね、本当に。でも、涙を飲んでクリアラッカーを塗装します。しかし、女性のお肌と同じで、すっぴんで美しいことが重要なのです。



クリアコーティングのおかげで、29er Chromeは美しさが長持ちします。普通の塗装の自転車と同等の耐侯性を持っています。
いつも言うことですが、Rainbowは特別な誰かの自転車ではない、誰もがほんの少しの勇気で乗れる自転車でありたいと思っています。そのためには、ステージに飾っておくような仕様は許されないと私共は考えています。ですから、クリアーコーティングは必須です。


同じ理由で、前後フェンダーも必要です。29erと言えど、クルーザーとしてオーナーが毎日、道具として使い倒せるように前後にフェンダーを装着しました。
29インチ車両のフルカバーフェンダーって言うのも初めて見ました。29erはタイヤに特徴があるわけで、ここをどーんと見せたい気持ちもあります、がRainbowとしては「29インチだからって見た目は特別じゃない」って感じでいきたかったんです。
サンプルを作って、確認したところ、29インチにあっては26インチと同等の仰角でフェンダーを作ると、なんとなく短く見えるのです。これは見る人の目の位置が同じであることから起こる錯覚です。しかし、錯覚であろうとなかろうと、変に短いフェンダーはこの美しい自転車に不釣合いなので、かなり伸ばしました。比較の写真でご確認いただけると思います。



Chromeにおけるデカールは、可能な限りメッキとブラックの風合いを引き出すためにブラックだけでデザインしています。クローム感とあいまって、ぱっと見たところなんと書いてあるのか見えにくいですね。しかし、クールに仕上がっています。

と、今回は29erの魅力について語り倒しました。でも、現物にはかなわないです。ぜひ店頭でご覧ください。最高です。


Rainbow / J